矢口十思夫の平成後期徒然よろずほぼ半旬記

身の周りの出来事から日本・世界のニュースまで、感じたこと、考えたことを自分の思ったまま率直に記すエッセイ/コラム。 2018年の更新頻度は不規則も,平均では5日に一度の頻度を維持予定。

カテゴリ: 文化・芸能

読書の秋,芸術の秋まっさかり。
そういえば,最近わが娘は漫画に夢中である。
「キャンディ・キャンディ」「はいからさんが通る」を暇さえあれば読んでいる。
もっとも,これは,YouTubeやテレビにはまりがちな彼女に対し,親が教育上よくないと思い,
かといって,文字ばかりの本はわが娘には抵抗がまだあるらしく,せめて漫画でもと,買い与えたらうまくはまってくれた,というのが真相なのだが。

漫画は,一世代前までは文字の本よりも一段低く見られ,本を読むことは奨励されても,漫画を読むことは害悪とされていた。
もっとも,確かに下品だったり,内容のうすい漫画も多々あるが,それと同等かそれ以上に読みものとして優れた漫画は数多い。漫画によって自分の心の中を広げられた経験がある人も多いはずだ。
漫画も,集中して読めば,一つ一つの絵やコマ割り,セリフにいろいろ気づきを与えられたり,考えさせられたり,印象に強く残ったりすることもある。その点では,読書と同様の効果はあるように思うのだが。
もっとも,文字ばかりの本は,自分の頭の中でそのシーンを組み立てるという作業が加わるため,受け手の負担が漫画に比べて大きい点はあるが。

逆に,作り手の立場で考えると,文字ばかりの本の方が漫画よりも数段楽である。文字ばかりの本は,文字を羅列すれば終わりだが,漫画は一つ一つの絵を描くのに,文字だけの本よりも数倍の時間等のコストがかかる。そのことを考えると,文字の本と漫画の評判のこの落差は理不尽にも思える。

そういえば,学校では本の感想文は書かされるが,漫画の感想文は書かされない。
漫画の感想文も認めてくれれば,児童・生徒の作文へのモチベーションが上がるかもしれない。
あるいは,本の感想”漫画”や,漫画の感想”漫画”という課題もあっても楽しいとも思う。もっとも,絵の好きな子なら天国だろうが,絵の苦手な子には地獄だろうが。

漫画の役割をもっと日本の教育界は評価しても良いのではないか。
漫画がこども向け中心の欧米に比べ,日本の漫画は大人にも十分楽しめるものが多い。だからこそ日本の漫画が世界を席巻・魅了しているのだろう。



安室奈美恵が歌手を今日付で引退する。まだ40。歌だけならまだまだ充分活躍できるはすだが、激しいダンスを混じえたハイレベルのパフォーマンスの維持は厳しいと判断したのか、あるいはもう充分やり切ったと思ったか。
しかし、この高齢社会、40はまだまだ充分若い部類に入る。日本在住の人間を年齢順に並べると、真ん中は今47〜48位。第二の人生を始めるには良いタイミングかもしれない。

今の日本の企業は、定年が60。少し前は55だった。しかし、今や人生100年時代ともいわれる。年齢で区切るのは果たして今の時代に合っているのか、再考すべき時期かもしれない。そもそも、人によって老化の進み具合は違いが激しい。企業の大卒一律一括採用制度と、終身雇用制度も、時代に合わなくなってきている部分も多々ある。

仕事の内容も、昔は体力勝負の面が多く、若い方が有利であったが、技術革新や産業形態の変化で、体力ではなく経験と知力勝負の場面が多くなってきている。年齢だけで判断せず、一人ひとりの本当の実力を見極めて、適材適所の人員配置をしていけば、企業も、まだまだ働ける高齢者も双方にメリットのある社会わ築いていけると思うのだが。

明日は「敬老の日」。一世代前ならば、まもなく高齢者といわれても仕方ない年齢に近づいている事実に愕然とするこの頃である。

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歌手の西城秀樹が亡くなって今日で10日。今日が葬儀。
2度の脳梗塞で,体調が良くないことは知っていたが,今回の急逝は驚きであり,また悲しい。
長身で端正な顔立ち,ハスキーで力強く,伸びのあるつややかな歌声,明るく親しみやすいキャラクター。すべてを兼ね備えたスターであった。彼はまた,既存の枠にとらわれず,いろいろ新しいことにチャレンジした先駆者でもあった。それまでの日本の歌謡界にロックの要素を取り入れ,洋楽を積極的に日本に紹介した。日本国内の枠にとらわれず,アジア,そして世界に果敢に打って出た。
外見のみならず,彼の冒険心あふれる姿勢があったからこそ,世の女性が彼に夢中になるのも十分納得だった。彼こそが,日本を代表する本当の,真のスターであった。
惜しむらくは,若い時にもう少し健康管理に気を付けていれば,あるいは脳梗塞他の病気を避けられ,もっと健康な状態で,その歌声・パフォーマンスで私たちを長く楽しませることができたことだ。だが,喫煙が大人の男性のたしなみとして当たり前で,酒に強いことが良しとされていた昭和の時代,あれほどのスターであれば人付き合いもあり,酒たばこをセーブするというのは厳しい部分もあっただろう。
日本の歌謡界に一時代を築いた彼の存在は,永遠に忘れ去られることはない。彼の歌声は,今を生きる我々の心の中に響き続けている。





歌手・安室奈美恵が,一年後の引退を発表して一週間弱が過ぎようとしている。
20年程前の彼女の活躍は本当にすさまじかった。
エキゾチックで可愛らしいルックスと華奢な体。
芯の通った力強い声と,切れ味鋭いダンス。
世間をたちまち虜にして,出す曲出す曲大ヒットの連発。
その絶頂期に妊娠・結婚・出産。その後,身内に起こった凄惨な事件,そして離婚。
話題にも事欠かなかった。

実は私も若かりし頃は密かにファンであった。
ベストアルバム『181920』を買い,このCDをガンガンかけまくって車を走らせていたものだった。
”Try me 〜私を信じて”,”Body feels exit", "Chase the chance", の曲が特に好きだった。

ヒットした曲のイメージからすると生意気で勝気な雰囲気の女性をイメージしがちだが,
本当はどちらかと内気で,真面目で,心優しい女性だと思う。
そして,彼女は,本当に歌とダンスが好きだったのだと思う。
だから,ライブではトークなしで,歌とダンスのみで人々と思う存分コミュニケーションを
とろうとしたのだろう。 

若い頃は,アップテンポの短調の曲が合っていたように思うが,
今の彼女の声は,ゆったりしたリズムのブルースやバラードも
しっくりくる。

高音がやや出にくい傾向に若い頃はあったが,今は歌唱力が更に上がり
丸みと艶を帯びた声が心地いい。
(人によっては,昔に比べ声が濁ったという評価もあるようだが。)

白人の米国人の血と,沖縄の血が絶妙にブレンドされた風貌と音楽性。
従来の日本人歌手にはなかったグローバル的な才覚。
 
歌だけ,ダンスだけ,であれば彼女よりハイレベルの人はいるかもしれないが,
歌とダンスを共にこれだけのハイレベルで同時にこなせる人はいないだろう。
加えて,幼少時の苦労や,様々な人生上のドラマ,これらが合わさって
「安室奈美恵」という一ブランドを確立したといっても言い過ぎではないだろう。

引退まで一年弱。今までの活躍に感謝しつつ,彼女の雄姿を心に焼き付けておきたいものだ。

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昨年の正月以降,やけに不倫の話が世間を賑わせている。昨年は芸能人の話でとどまっていたが,今年に入ってからは政界の人のそれがやたらに目につく。
もっとも,不倫は褒められた話ではないし,周辺の人々に何らかの精神的負担を負わせているのは事実だろう。しかし,当事者や周辺ならともなく,まったくの第三者がよってたかってギャーギャー騒ぐほどのことなのだろうか。
私自身は,別に誰が誰と不倫関係にあるとか,関心も興味も持てない。もっとも,自分の妻がそのような関係を誰かと持っていると知ったら,心穏やかではなくなるだろうが。また,私自身も,時には妻以外の女性に魅力を感じることはあるものの,一定以上の関係になろうという気持ちにはまったくなれない。私の妻以上に,私にとってふさわしい女性はいないし,また,自分こそ妻にとってふさわしい男性はいないと自負している。そのような恵みあふれる関係を壊してまで得たい男女関係というのが,私には信じがたい。
第三者からの立場で,他者の不倫関係をギャーギャー批判したり,必要以上の関心を持つ人々は,実は自分自身の夫婦関係,異性関係に不安や不満を持っている人なのではないかと想像する。他者の不倫を批判することで一時的に溜飲を下げることはあっても,彼ら彼女ら自身の心の空洞はそれで充たされることはないだろう。彼ら彼女らは他者のことをあれこれあげつらう前に,自分自身と向き合い,自分自身の人間関係を再構築する努力をした方がよっぽと生産的で,中長期的に幸福になるのだが。それを知らずに他者の不倫を非難し続けるのは愚かであり,知ってて非難し続けるのは怠惰だ。
・・・しかし,芸能人はともかく,政治家の不倫はやはりいかがなものかと思ってしまう。個々のケースでいろいろ違いはあるだろうし,本質的には,すべき仕事をきちんとしていればよいと思うのだが。どちらかというと現与党の方の不倫の方が悪質に感じるが,現野党の人もしっかりして欲しいものである。

それにしても,国内外の政財界リーダーの資質が本当に心配なこの頃である。
戦争をやたらと起こしたがっているようにしか見えない政治家は,こどもの頃どのような本・漫画を読んで育ったのだろうか。あるいは彼らの親は,どのような読み聞かせをこどもに対してしていたのだろうか。
権力闘争を勝ち抜くためのハウツー本の類しか,大人になってはじめて読んだとしか思えないような人がリーダーに多すぎるような気がする。
こども心に,正しいことと正しくないこと,人の生きることの喜び,怒り,悲しさ,辛さ,を味わったことがあれば,人の気持ちを逆なでするような失言・暴言をはくようなことはないはずなのだが。
「昔の人間は良かった」と安易に言いたくはないが,政治家や偉人の名言や感動的な言葉は,昔の人々の方が多く語っていたように思う。人間が増え,知識も増えた現代の方が,名言や感動的な言葉の数が増えるように思うのだが,失言・暴言・不快な言葉,怒りを誘発するような言葉ばかり見聞きすることが多いのはなぜか。
別に意図して美辞麗句を作れといっているわけではない。たとえ拙くてもいいから,真心のこもった,国民・世界の人々,過去を生きた人々への敬意と,これから生まれてくる次世代,次々世代の人々への愛情のこもった言葉を聞きたい。明日を生きるモチベーションを高められる言葉を聞きたい。


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