矢口十思夫の平成後期徒然よろずほぼ半旬記

身の周りの出来事から日本・世界のニュースまで、感じたこと、考えたことを自分の思ったまま率直に記すエッセイ／コラム。 2018年の更新頻度は不規則も，平均では５日に一度の頻度を維持予定。

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今年のプロ野球ドラフト会議は今日だった。

毎年、球団毎の戦略や、交渉権を獲得した人材の現時点での評価がいろいろ報道される。

‥が、まだプロの舞台で登板したことのない投手、打席に立ったことのない打者を、今の時点であれこれ言う意味がどれだけあるのだろうか。また、ドラフトが失敗だという言い方も、そのドラフトで選ばれた選手に対してある意味非常に失礼だろう。加えて、ドラフトの選択順位をことさら強調するのも、人々に差別意識や卑屈感を無意識に与えるようで、社会的影響を考えると果たしてどうなのかなと思う。

そもそも、ドラフト会議をショーアップするのが、おかしい。たまたまアマチュア野球が盛んな土壌があり、人々の関心が高いという事情はあるにしろ、日本国内の他の競技でこのような風習はない。外国でもここまでマスコミに取り上げられることは聞いたことがない。これが日本の世界に誇る独特のスポーツ文化といえるのであれば、このままでも良いのだろうが、何だか他人の人生の岐路を単なる見世物にしてマスコミが金稼ぎしているだけで、スポーツの本筋とは異なるように思うし、私は正直良くないと考える。

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クライマックスシリーズが終わり，日本シリーズの開幕を明日に控えた中，昨日ドラフト会議が行われた。
今年は，例年になく，いろいろな要素が盛りだくさんで，ドラマとしては面白かったと思う。
甲子園春夏連覇の優勝投手あり，その投手を凌駕する才能を持つ投手がＭＬＢに挑戦するとかしないとか，奪三振記録を持つ即戦力大学生投手あり，はたまた親族が監督をしている特定球団への入団を熱望し浪人中の投手あり，・・・・。
ふたを開ければ，それぞれ意中か，地元や地元に近い球団から指名された有力選手が多かったようだ。ＭＬＢ挑戦予定の高校生投手の意向は気になるところだが，はたしてどうなるか。全体的には平和裏に進みそうで何よりではあるが。

・・・しかし，プロでまだ一球も投げたり打ったりしていない選手について，どこの球団に行くかで盛り上がるというのは，はたしていいのかどうかという気もする。ＭＬＢでは，新人選択会議がここまで盛り上がるような話は聞かないし，他のスポーツ，例えばサッカーJリーグでは，新人選択会議なるものはない。どこに入団するかではなく，これからどのような活躍をするかがより重要な問題である。あまり今の段階で騒ぎすぎるのはどうかと思う。それに，ドラフト会議で注目されても，その後思うような活躍ができなかったら，本人も周囲も球団も辛い思いをするだろう。注目度が高かったらなおさらその辛さは大きいと思う。

・・・これはプロ野球のドラフト会議だけの話ではないかもしれない。特に日本あるいは日本人に顕著な傾向なのかもしれない。大人になってからどのような仕事をし，どのように人生を豊かに生きるかよりも，どこの会社に入るとか，どこの大学，どこの高校，どこの中学，・・・・ある明確な目的地に至るまでの経緯には注目するものの，その後のことや，本当の目的をないがしろにしてしまっているのかもしれない。
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