矢口十思夫の平成後期徒然よろずほぼ半旬記

身の周りの出来事から日本・世界のニュースまで、感じたこと、考えたことを自分の思ったまま率直に記すエッセイ/コラム。 2018年の更新頻度は不規則も,平均では5日に一度の頻度を維持予定。

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IMG_20170127_154832昨今は何事も効率が求められる。最小のコストで最大のパフォーマンスを得ることがもてはやされる時代だ。
仕事でも教育でも,あらゆる方面で,少しでも無理・無駄・ムラがあると,いろいろ批判・非難されてしまう。
無理・無駄・ムラを生じる最大の敵は失敗である。だから,失敗を避けるために,人々は安全志向を高め,少しでも実績のある,リスクの少ない選択肢を選ぼうとする。

しかし,効率ばかりを求める社会が果たして本当に幸福なのかどうかは議論の余地があるように思う。
何でもかんでも,ちょっとした利益を確保するために,失敗を恐れて窮屈な生き方をしていても,楽しいとは感じられない。
人生の目的は何か。うまく生きることなのか。投資効果を最大化することが最も価値あることなのだろうか。

大きな果実を得るためには,一時期は無駄に見られること,思い切り非効率なことをしないといけない時もあるのではないか。
医者や弁護士になるためには,やはりそれなりの勉強を時間をかけてしないと高度な知識を得ることは出来ない。一流のスポーツ選手や音楽家になるためには,普通の人の何倍もの時間と労力をかけて練習・稽古に励む必要はある。もちろん,勉強法・練習方法の中には,より効率的に行う方法論はあることはあるだろうが,本物の人物,本物の仕事をするためには,一定以上のコストはかけなければいけないはず。そもそも,勉強や練習・稽古自体の中に好きなことを見つけて,進んで努力する気持ちを持てる人だけが,そのような道を歩んでいけるものなのではないか。

どのような人にも,自分の好きなこと,夢中になれるものはある。そのために,他のことは効率的に済ませ,好きなことのために効率を度外視して集中することこそが,人生をより良く生きる秘訣なのかもしれない。

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なぜこのようなことを書いたかというと,今年最初の四半期のスポーツシーンを見てそのことをまざまざと感じたからだ。大相撲の稀勢の里,WBCの日本代表,そして選抜高校野球。
今年の選抜高校野球大会で,八強に残ったのは,複数チームが出場している府県のチームばかりである。そして,まさかの延長再試合が二試合連続で発生している。
巧くやろうという気持ちよりも,とにかく全身全霊を懸けて勝つためにひたすら頑張ろうという姿勢が,結果的に実を結ぶことが多いようだ。

かくして,2016年度は幕を閉じていく。来る素数年度,2017年度は果たしてどんな年度になるだろうか。

明日は総選挙,そして東京都民の私は都知事選挙の投票日。いまだに投票先に迷う。

さまざまな利害関係で候補者を選ぶ人が多い。それはある意味当然なのかもしれないが,それだけで候補者を選んでいいのかとも思う。

損得勘定なしでは商売は成り立たず,生きていくのに必要な稼ぎを生みだすことはできない。しかし,必要以上の稼ぎを生みだすために,過剰なまでに損得勘定の感覚を研ぎ澄ますことが,果たして本当に豊かに生きることにつながるのだろうか。
得ばかり求めた末,それだけの労力をかけた割に得られる得が少なかったり,かえって損していたりすることが多いような気がする。
むしろ,ある程度の損は潔く受け入れ,損を甘受出来るだけの耐力があることとわずかな得に感謝できる感性を持つことが,喜びと恵み多き生き方ができるのではとも思う。

人生・仕事,すべてにおいて,またあらゆる人は損して得を得ているのである。時間を犠牲にして,自分の力を用いて,社会に貢献し,他者に利益を与え,その見返りに他者からその利益の一部をいただいているのだ。自らの損ばかりに過剰に反応するのではなく,隣人・社会の利益を考えたい。隣人・社会の利益が増えれば,その利益は自分に還ってくるのだ。そのように考える人が増えれば,社会は良くなる。税金の意味も変わってくるし,本当に国家・社会に貢献したいという政治家が増えれば,絶対にこの国は良くなるはずだ。

明日は総選挙。本当に国家・社会のためになる人が選ばれるように。

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