ニュースというのは,往々にして悪い内容が多いものである。それは百も承知なのだが,昨今のニュースはその悪さの度合いが以前にも増してひどくなっていると感じるのは私だけだろうか。
悲しい事故・犯罪,一向になくならない戦争・テロ,国内外政治家の聞くに堪えない暴言・失言,不祥事,・・・
それらのニュースを見聞きするだけで病気になってしまいそうだ。
もっとも,これだけそのような報道が多いということは,裏を返せば,世界に起きている事実が誠実に報道されているという証拠ともいえる。本当に現実に起きている出来事が,何らかの見えない力が働いて何も報道されなかったり,あるいは歪められて真実とは異なる形で報道されるようになると,これはこれでもっと問題になるが。

それにしても,病気・事故・戦争・犯罪,・・・これらを,完璧に防ぐことは無理にしても,減らすことはできないものなのか。
物事には原因と結果が必ずある。原因を把握し,病気・事故・戦争・犯罪の原因となるものを根本からなくす(あるいは減らすようにする)ことと,発生した病気・事故・戦争・犯罪に対して,その刑罰を厳しくしたり発生した事象を軽減・緩和させることの2通りの対処方法がある。
最近の世界や国・社会の動きを見ていると,後者の対処療法的な行動の方が多く,前者の,そもそもの原因を追究し,根本原因をなくす動きが少ないように感じる。
これは,対処療法的な行動の方が即効性があり,また,経済理論から考えるに,その方が,いやな言い方をすれば「儲かる」からだろう。対処療法は,いくらでも考えることは出来,また人々の目前の欲求に対して即座に回答を提示しやすい。
一方,根本原因は,おおよそ元をたどれば一つであり,それを変えるのは人間が人間である限り,難しいのかもしれない。満たされることのない欲望,ゆがんだ感情,孤独,・・・・。それらを解消・軽減するためには何をしたらいいのか。人間の目に見えるものを用いても,限界があるのだろう。

・・・・果てることのない,満点の回答のない問いに対し,人間は考え続けていかねばならない。当座の暮らしを守りつつも。そうして春分後最初の満月の夜は更けていく。