往々にして人間は,自分の生きてきた時代を絶対化してしまいがちだ。
そのため,特に自分より若い人々の生き方考え方に対しどうしても批判しがちである。
一方で,自分より年上の人々の考え方に対し,「考え方が古い」「時代遅れだ」と否定的にとらえることも多々ある。

もちろん,世代年代を問わず守るべき普遍的な価値観や倫理観というはある。だが,それ以外の部分では,その時代時代で,社会体制や産業体制も異なり,時間や空間等の概念も異なる。それらを,自分の生きてきた時代と異なるからといって一方的に非難・糾弾するのは間違っているだろう。

たとえば,日本が高度経済成長期の時は,「男は仕事,女は家庭」という価値観が当たり前であったが,労働力不足が強く言われる今,この考え方は時代に合わなくなってきている。また,江戸時代までの日本は,武士以外の階級では男女にかかわらず一家総出で家業に勤しんでいた事実もある。

たとえば,世界中で戦争に明け暮れていた時代には,軍隊に従事することが名誉あること,最高の価値観と思われていたが,少なくとも今の,戦争放棄を謳っている憲法を持つ日本では,そのような雰囲気はない。


そして,今流行最先端の職業は,昔は存在しなかった職業であることが多い。科学・技術の発達により産業体制も変わり,職業の形も変わる。タイピスト,電話交換手といった職業は今はないし,明治時代以前はスポーツで身を立てることは考えられなかった。ましてや,YouTuberといった職業(?)は,10年くらい前では想像さえできなかった。

もっとも,現代に過剰に適合することにあくせくし過ぎるのもどうかとは思うが。自分の過去に固執し過ぎず,柔軟な思考で時代時代に対応していきたいものである。
また,年代の違う人々からの時代認識の違いからくる見当違いの批判などについても,彼らの発言の背景を考え,過剰に反応せず,寛容な態度で対応していきたいものでもある。