矢口十思夫の平成後期徒然よろずほぼ半旬記

身の周りの出来事から日本・世界のニュースまで、感じたこと、考えたことを自分の思ったまま率直に記すエッセイ／コラム。 2018年の更新頻度は不規則も，平均では５日に一度の頻度を維持予定。

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我が子は最近，伝記まんがに夢中だ。
図書館で手当たり次第に借りてきては，空き時間には必ず読んでいる。
親としては，本当は活字の伝記を読んでほしいところではあるが，まだ文字の多い本は抵抗があるらしい。もっとも，活字の本で内容の薄い，下品でくだらないものを読むよりは，しっかりした内容の漫画を読む方がはるかに良いのだが。

我が子につられ，改めてまんがの伝記を読んでみるが，いろいろ再発見があって楽しい。
まず，伝記になるような人物は必ず，こども時代に何らかの才覚を表していること。
そして，親がその才覚を認め，適切な環境を与えていること。
親は，結構いい加減だったり，教育熱心すぎて人間としておかしくなっている人も多いこと。
親以外の人物との貴重な出会いがあること。
女性の場合は，とにかく子ども時代に本が好き，勉強が好きで得意だったこと。
・・・などなど。

こどもにとっては，伝記を読むことは自分のこれからの生き方を学ぶ良い機会であるが，
親にとっても，伝記を読むことはこどもの育て方や教育の仕方の良き道しるべとなる。

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小学生の女の子の父親となって２か月半あまりが経った。
それにしても，小学生の親ってこんなに忙しく，大変なものなのだったのだろうか。
毎日の宿題を見る，色々な行事の準備，翌日の登校準備の手伝い。などなどなど。これらを小学校からは親がするように奨励されている，いや実質は指示を受けているといった方がいいか。
しかも学校からの配布物がやたらと多く（日平均４，５種類しかもカラーや上質紙多い），しかも学校教育とは直接関係のない，地域のクラブ活動加入への勧誘やコンサート・観劇の案内など，ビラのようなものも多い。その中に学校からの重要な通知文書が混じっていたりするから，油断ならない。
自分が小学生だったときは，親は今ほど小学生のこどもの面倒を見ていなかったような気がするし，配布物も毎日ではなく，あった日でもわら半紙１，２枚程度だったように記憶している。
しかも，今は夫婦共働きの家庭の割合は増えており，夫婦どちらも忙しい家庭は多いはず。これに加え，PTAその他の負担が加わったら，親をしているだけで過労状態になるのでは。更に，担任の先生などに不運にも恵まれなかったら，目も当てられない状態になるのでは。
昔より通信技術が発達し，産業も高度化し，生活も便利になって本来だったらもっと楽にいろいろできるはずなのだが。
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日本人人質事件の被害者の母親の嘆きぶりがまだ脳裏に焼き付いているこの頃，
別件で，知人のこどもが，八ヶ岳の山岳事故で命を落としたというニュースも耳にした。
こどもを亡くした親の悲しみは，想像を絶するものだろう。慰めの言葉が見つからない。

・・・ところで，親が子の死に遭う確率というのはどれくらいなのだろうか。
どういう計算でこの確率を出すことができるのか，いろいろ考えてみたが，さまざまな条件が想定され，これという数式を導き出すことができない。

昔と今とで，この確率がどう変化したかは，ある程度は想像はできる。
昔は医学的知識も乏しく，また乳幼児死亡率も高く，更に出生率も高かった，つまり子どももたくさん産まれたため，親が我が子の死に遭遇する可能性は高かったと思う。
逆に，今は昔よりは親は我が子の死に遭遇することは少なくなったと言えよう。
「子どもの最高の親不孝は，親より先に死ぬことだ」といわれているらしいが，
その意味では親孝行なこどもは増えているのだろうか。

とはいっても，確率は低くなったらしいとはいえ，子の死に遭遇する親は今もいる。
昔と異なり，今は確率が低くなった分だけ，実際に子の死に遭遇した親は，その悲しみを理解してくれる
人間が少なくなり，昔より苦しみ悩みは大きくなっているのかもしれない。

少なくとも，自分の親より先にこの世を去ることのないよう，自分の命は大切にしていきたいものだ。
一方，不幸にも自分のこどもを亡くした人に対しては，その悲しみに寄り添うようにしていきたいものだ。

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私の誕生日の翌日から，１歳の娘が38度の発熱。
咳や鼻水は気になるものの，食欲は普通だし，表情もいつもと変わらず元気そうなので，特に気にしてはいなかったものの，念のためその日近くの医院に診てもらったら，気管支炎との診断。解熱剤をはじめとしたいろいろな薬をもらう。
解熱剤の効果で熱は下がり，その他の症状も落ち着く傾向にあったが，念のため予約していた二日後に同じ医院にいったら，もっと強い薬を処方された。
良くなっているのになぜ強い薬？ちょっと疑念がわき，その翌日に別の病院にセカンドオピニオンとして試しに診てもらったら・・・肺炎という診断が下り，意に反して娘は入院する羽目に。
命に別条はないといわれても，１歳になったばかりの，まだまだ母親の肌恋しい幼児が急に数日間も母親と別れ別れに過ごさなければならないのは，あまりに酷である。

私も５歳のときに，肺炎で入院したことがある。親元から離れるつらさは今でもはっきり覚えている。嫌いな食べ物も強制的に食べさせられ，おっかない看護師に囲まれ，自由にベッドから出て歩くことも阻まれ，・・・でも，あの辛さを乗り切ったからこそ，健康な現在の私自身がいるのであり，今では感謝している。
娘にとっても，この経験が人生の上で大きな糧となってほしいものである。と同時に，この出来事が親である私自身にとってまた大きな糧となるのかもしれない。

今日で娘は生後１３ヶ月。来月の今日は同じ屋根の下で迎えたい。
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新生児室に並ぶ赤ちゃんの入った保育器，その保育器につけられた名札を見るのもまた楽しいものだ。
性別，お母さんの名前と，生まれた日時が書いてある名札。
この子は自分の娘より１時間お姉さんだな，あの子は２日間お兄さんかな，この子のお母さんはどんな顔つきなのかな。色々な楽しみが転がっており，想像・発見の種が尽きない。

既に名前が決まった赤ちゃんには，お母さんの名前の書かれた名札の横に，命名された名前が書かれている大きめの別の紙が付けられているのもある。様々な親の思いがこめられた名前なのだろう。親の文字を受け継いだ名前，流行の字を含んだ名前，外国風の響きを持った名前，・・・・

子どもの命名にあたり，ずいぶん前からインターネット上でいろいろ情報を集めたが，このサイトには本当に考えさせられてしまった。無責任な立場であれば笑って終わるが，当事者にとっては深刻な問題である。子どもへの思いや，社会に対する親としての責任を感じさせない，親の身勝手な欲望のままに名前をつけてはいけないと強く思った。

娘の名前には，娘にはこう育って欲しいという思いと，娘にこの社会でどのように生きていって欲しいかという思いをこめた。また，字は小学校の間に習う漢字を選び，音の響きも平易なものを選んだ。誕生のかなり前から，時間を惜しまず丁寧に考えに考えた名前は，娘に対して最高の贈り物ができたと自負している。

（このブログはすっかり赤ちゃん日記と化しつつあるなぁ）
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文科省、新指導要領に「愛国心養成」を追加

不思議に思うのだが、「愛する」ことって、教えられるものだろうか。そして、評価できるものだろうか。

「愛する」という行為は、もともと自発的なものであるはず。
親がわが子を愛する気持ちというのは、手取り足取り教えられて初めてできるものではなく、自然に湧き出るものである。
子が親を慕うのも、同様である。

国を愛する気持ちも同じではないだろうか。

確かに、いろいろ問題を抱えているし、いやな部分もあるけれど、それでも私は自分の生まれ育った日本という国、日本という共同体を愛している。温和な気候にはぐくまれた繊細できめ細かい文化、情緒豊かで素直・実直な国民性は好きだし、誇りに思っている。

でも、こういう気持ちは学校や人生の先輩から教え諭されて持ったものではない。今まで日本人として生きてきたうえで、いろいろ考え、感じて得てきたものである。もしも、学校で内申書の評価基準のひとつに愛国心という項目が加えられたら、自発的に国を愛し思う気持ちを青少年諸君は持てるだろうか。私は持てないと思う。評価を気にして、自分の将来のために、表面的な愛国の感情を持たされる青少年が増えるのではないか。それは長期的に見て、日本の将来のためにはならないと思う。

どうしても愛国心を教え諭したいのであれば、それは子供ではなく、今この日本を迷走させている幹部官僚、政治家に対して教え諭すべきではないか。彼らの行動はとても愛国心を持っているようには見えない。国民の苦しみをよそに、自分さえよければという身勝手な行為ばかり。年金、道路行政、外交、医療、教育、・・・・上げたらキリがない。そのような幹部官僚、政治家の恥ずかしく情けない姿を見させられては、国を誇りに思い、愛したいという気持ちが萎えてしまう。

それとも、もしかしたら、文部科学省のいう愛国心は、日本という国や共同体のことを愛するのではなく、幹部官僚、政治家など日本の支配層を愛せよ、といっているのだろうか。そうだとしたら、まったくご免被りたい。愛される努力を幹部官僚、政治家はまじめにしてもらいたい。

それにしても、年度末、国会はどうなってしまうのだろうか・・・・



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